透明な鼻水がでる

まず、代表的な疾患であるアレルギー性鼻炎が考えられます。このアレルギー性鼻炎の中には、スギ花粉が主な原因となる花粉症や、ダニやハウスダストが原因となる通年性アレルギーが含まれます。急性鼻炎の初期の段階でも、透明な鼻水がでることがあります。

黄色い鼻水がでる

慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)や急性副鼻腔炎が考えられます。これらの病気になると、黄色や緑色の粘っこい濃性の鼻漏が出てきて、頬・前頭部・上歯・目の奥・眉間などの痛みがおきることがあります。風邪が原因でなることが多く、ウイルスや細菌感染が関わっています。アレルギーが原因で副鼻腔炎になることもあります。 他に、真菌(カビ)が原因で黄色の濃性鼻漏が出たり、まれに子供の場合には、豆・ビーズ玉・プラスチックのおもちゃなどを鼻に入れる鼻内異物のために片方の鼻から黄色鼻漏が出ることもあります。

鼻がつまる

アレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎・急性副鼻腔炎などが考えられます。慢性副鼻腔炎で重症になると、副鼻腔の粘膜がポリープ状に腫れて、それが副鼻腔に収まりきれずに鼻腔に出てくると、鼻茸と呼ばれるポリープが充満して、鼻がつまるようになります。

臭いが分からない

臭いが分からなくなる原因としては大きく分けて2つあり、一つは臭いの神経自体がウイルスや加齢により障害されて臭わなくなる場合と、もう一つは慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎があり、臭いの通り道が塞がって臭わなくなる場合があります。他にはその二つが混合している場合や、外傷や血液内の亜鉛が不足してなることもあります。まずは何故臭わなくなったのかを検査して、原因が分かればその治療をすることになります。 検査は、まずは静脈注射でにおいの元を注射して臭うかどうかの検査や、実際ににおいを嗅いでいただき、臭うかどうかの検査などがあります。他にも、慢性副鼻腔炎が疑われる場合は副鼻腔レントゲン、亜鉛が不足しているかどうかは血液検査にて調べます。 そして、原因となっている病気の治療になります。慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎であればその治療、神経自体の障害であればその治療、亜鉛不足であればその治療になります。嗅覚障害の一番有効な治療はステロイドの点鼻薬になります。鼻の穴を天井に向けるように仰け反って点鼻薬を垂らすのですが、喉に多少液が流れ込みます。

頬が痛い

慢性副鼻腔炎の急性増悪になることが多いです。痛みが強い場合や内服薬が効かないような痛みには、鼻から副鼻腔に針を刺して、内部に溜まった膿を外に出すような治療をします。 他にも術後性上顎嚢胞といって、上の歯茎を切る慢性副鼻腔炎の手術を行ってから数十年後に頬が痛くなる病気があります。これは、手術した上顎洞内の残存粘膜から嚢胞(袋)が形成され、数十年の間にその嚢胞が徐々に増大し、感染を起こすと頬が痛くなる病気です。嚢胞が大きくなると頬が腫れてきたり、さらに増大すると目を圧迫することもあるので、物が二重に見える場合があります。

鼻血が出る

鼻出血は出血した場所や出血の程度により治療法が変わってきます。ほとんどの鼻血は鼻の入り口からの出血のため心配いりませんが、稀に出血が困難な鼻血があります。

鼻が痛い

鼻の根元や頬、前頭部の痛みは急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎で起こります。数十年前に副鼻腔炎の手術をしたことがある場合は、術後性上顎嚢胞の可能性もあります。鼻の入り口の痛みは鼻前庭湿疹といって、鼻を触ったことによる感染で痛くなることがあります。