睡眠時無呼吸症候群は、『日中に眠くなる』『大きないびきをかく』『睡眠中呼吸がとまることがしばしばある』等の症状で知られています。
また睡眠時無呼吸症候群を放置すると、睡眠時無呼吸症候群でない方と比べ心臓や脳の血管に影響が出てくることが報告されています。近年の研究により睡眠時無呼吸症候群は高血圧・不整脈・狭心症・心筋梗塞・心不全・脳卒中・頭痛・うつ・性格の変化・逆流性食道炎との関与も指摘され、また交通事故の頻度も健常人の10倍になるとの報告もあり放置することなく積極的な治療が望まれます。
睡眠時無呼吸症候群検査方法
当院では耳鼻咽喉科的に気道狭窄の原因となる疾患が無いかを診察し更に携帯型の機器(アプノモニター)を使用した睡眠時の無呼吸・低呼吸の有無を計測して治療方針を提案します。
アプノモニター検査では機器を貸し出し自宅で睡眠時に装着して頂き、結果を解析します。
入院の必要もなく簡単でかつ苦痛の無い検査ですので鼾・無呼吸のある方は是非検査を受けることをお勧め致します。
睡眠時無呼吸症候群治療方法
睡眠時無呼吸症候群が診断された場合、当院では生活指導・手術加療の御提案の他、中等症には終夜睡眠ポリグラフィーでの検査へご案内、重度な場合は保険適応でC-PAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続式陽圧呼吸療法)を導入し加療を行うことが可能です。
1C-PAPで治療すると…
- 無呼吸・低呼吸・いびきの消失
- 睡眠の質の改善
- 日中の眠気の改善
- 日中の活動性の増加
- 高血圧の改善
- 夜間尿の減少
- 合併症の予防
2マウスピース
下あごを前方に突き出させるように工夫したマウスピースを装着すると、 気道が広がり中等度のいびきや無呼吸が消失します。当院でかかりつけの歯医者に行ってもらうか、マウスピースを行っている歯医者を紹介させていただいています。
3ナステント
ナステントは鼻から挿入するシリコン製の医療機器です。挿入されたチューブの先端は口蓋垂(のどちんこ)付近に到達します。挿入されたチューブがいびきや睡眠時無呼吸の原因となる気道の狭窄を軽減することで、いびきや睡眠中の無呼吸を改善する効果があります。
ナステント取扱いのながれ
- ① 医師の診察と診断
- ② フィッティング
- ③ 指示書・同意書の発行
ナステントとは
気道の閉塞や狭窄を防ぐ鼻腔挿入デバイス
ナステント™クラシックは、使用者自身で左右どちらかの鼻に挿入することで、気道を確保するチューブ状の医療機器です。チューブの先端は口蓋垂(のどちんこ付近)にまで到達。挿入されたチューブが寝苦しさ、睡眠中の頻繁な覚醒の原因となる気道の閉塞を防ぎ、呼吸の確保を助けます。
ナステントは、非常に柔らかい材料で作られており、多くの患者さんが小さな負担で使用できるように設計されています。
ナステントが気道の開存性を維持するメカニズム
ナステントの特徴
- ノーズクリッパーの形状は、長時間留めても、しっかり固定かつ痛みを伴わない独自の「かえし構造」です。
- 原料はシリコーンで、弾力かつ柔らかいため、鼻への挿入時の痛みはありません。
- 鼻孔から口蓋垂までの距離や形状を考慮して、湾曲したチューブを実現しています。
- 丸い先端形状と先端に水に近いジェルを塗布しています。そのため、すべての方がスムーズに挿入できます。
- 1本ずつ滅菌しているので、いつも清潔に使用していただけます。
- 重さ約7gのため、とっても軽量です。装着時や旅行時の携帯には、全く気にならない重さです。
- 装着しても、外見を全く邪魔しなく、飲料は可能。就寝前のライフスタイルを邪魔しません。ご自宅だけでなく、移動中(新幹線や飛行機等)でも安心して使用できます。
使用方法
- パッケージからナステントを取り出します
パッケージに記載されている番号順で開封すると、きれいに取り出すことができます。
- ナステントを鼻の穴にゆっくり挿入します
ナステントは、顔面に対して垂直方向に挿入し、ノースクリッパーを鼻柱にしっかり固定します。鏡の前で口を開けて、ナステントの先端が口蓋垂付近に達していることを確認ください。
※専用アタッチメントを使用してください。
- そのまま、おやすみください
朝、起きたらナステントをゆっくりはずし、廃棄ください。家庭ゴミとして処分できます。