耳の聞こえが徐々に悪くなった方で、最近聴力検査をしたことがなければ、耳鼻咽喉科にて診察後に聴力検査を受けることをお勧めします。
耳垢があれば、それを除去してから鼓膜を観察し、鼓膜所見が正常かどうか、穿孔があったり中耳炎がないかを診察します。もし中耳炎があれば、その治療をします。鼓膜が正常で、検査で老人性難聴の場合、さらに日常生活に支障が出ている場合は、補聴器の適応になります。

当院では毎週火曜日の午前中に、理研産業補聴器センターの方に当院へ来ていただき、聴力検査の結果から、その方にあった補聴器を調整して、数週間無料で、主に耳かけ型の補聴器を無料で試聴することができます。
また、医師が補聴器相談医を取得しているため、補装具支給の意見書や身体障害者の書類を書くことができます。
一般の電話予約とは別枠での予約になります。必ず先に一般診察をして下さい。
※当院医師は補聴器相談医

補聴器の種類

耳あな型補聴器

耳の中に入ってしまう位、小さい補聴器です。機械が小さいため、高出力を出すことができず、高度の難聴の方には使用できませんが、軽度~中等度の難聴の方に適応があります。音を拾うマイクが耳の穴の位置にあるため、より自然に近い状態になります。しかし、機械が小さい分、高額な場合が多いです。

耳かけ型補聴器

耳にかけるタイプの補聴器です。最近はカラフルでおしゃれな補聴器があります。また、小型のものも発売しており、以前より目立ちにくくなっています。軽度~高度の難聴の方まで、幅広く使えます。

箱型補聴器

マイクがついた本体を胸のポケットに入れて、イヤホンで聞く補聴器です。操作するボタンが大きいため、高齢者は扱いやすいです。また、本体を聞きたい音の方向へ向けて、本体を音源へ近づければ、より聞こえるようになります。値段は安いものが多いです。

補聴器選びで注意すべき点

  • きちんと聴力検査をして、それぞれの聴力にあった補聴器に調節してくれる補聴器屋で購入するようにしましょう。
    それぞれ人により聴力は異なります。メガネと同じですが、それぞれ視力により度を合わせることが必要なように、補聴器にも調整が必要になります。
  • 一度の調整だけでなく、何度も調整が必要です。
    メガネは一度の調整で、自分に合ったメガネを作ることができますが、残念ながら補聴器は、雑音が少ないものを作る場合、何度か調節が必要になります。一度の調整でうまくいかなくても、それが普通なので、諦めずに調整に来てください。
  • 高額な補聴器でなくても自分に合った補聴器が作れます。
    値段が高ければ高いほど、雑音が少ない、いい補聴器が作れる、とは一概に言えません。値段が安くても、その人にとって雑音が少なく、いい補聴器を作れる場合も多くあります。また、高度の難聴の場合は、身体障害者に該当することがあります。難聴の重症度によって、補聴器購入の補助が受けられる場合があります。